早稲田大学総長による入学式祝辞2019

大学受験

早稲田の田中総長からの新入生に向けた式辞。

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教育の二本の柱

「たくましい知性」を育み、「しなやかな感性」を養うことである旨が紹介され、正解の無い問題に挑戦していく姿勢や、視野を広げるために異なる文化や価値観を持つ人々と多く接することの重要性が説明されました。また大学に用意された多様なプログラムや制度を活用して、短期間でも良いので、一度は海外留学をして欲しい、という期待が述べられました。

早稲田は世界で輝く、世界トップ・クラスの大学になる

世界の大学の変化と進化の過程があります。一つの例を挙げますと、1930年代のアメリカのトップ・スクール、例えばハーバード、イェールなどの大学は、当時のヨーロッパの一流大学であったオックスフォードやパリ大学などに、大きく遅れをとっていました。しかし、アメリカのトップ・スクールはその時代に、世界の一流大学をめざすという決意を、固めたそうです。その結果、実際に世界のトップになったのは、1970 年代初頭だそうです。あのハーバードでさえも、40 年もの年月をかけて、世界のトップになる努力を、重ねたのですから、早稲田が、単に「日本の一流大学である」という地位に満足していれば、永遠に、世界に一流と認められることは、ないだろうと2思います。 「何年かかってでも、世界のトップ・クラスになり、世界で輝く」という覚悟を、私たち早稲田の教職員は今、固めなくてはならないと思います。そして、同時に、皆さん方、早稲田の学生も、「自分の所属している大学は、いずれ世界で輝き、一流の大学になるのだ」と考えてもらいたいのです。何故ならば、日本国内やアジアにおける今日の早稲田の名声は、早稲田の卒業生が、日本社会、ならびに近隣アジア諸国で、めざましい活躍をしてくれたから、築かれたものだからです。今度は、皆さんに、卒業後に早稲田を世界で輝かせる役を担ってもらいたいのです。世界に貢献することは、必ずしも海外で仕事をすることだけではありません。国際連合のような国際組織で、活躍することだけでなく、日本国内や海外を問わず、どのような町や村にいようとも、またどのような規模の企業や団体、組織であろうとも、皆さんが「グローバルな視野に立って、人類社会に何らかの形で貢献する」と考えてくれれば、そのことが、皆さんを自ずと輝かせ、さらには早稲田を「世界で輝く大学」へと、導いてくれるのです。私たち教職員は、皆さんがそうなれるように、教育環境を提供する責任があると思っています。

「たくましい知性」を育み、「しなやかな感性」を養うということを、教育の二つの柱に

「たくましい知性」

一言で言えば、「正解のない問題」に挑戦していく知性です。今日では世界でも、日本でも、人類が直面している問題の多くには、正解がありません。例えば、地球温暖化による異常気象による集中豪雨や洪水などに対して、人間はどのように対処していくべきなのか、または、世界中で起こっている民族間の紛争などをどのように解決していくのかなど、多くの問題は正解がありません。その様な混沌とした世界、および社会の中で、正解のない問題にでも、自分なりの解決策を考え出す知性が必要になっています。受験勉強のように短時間で正解を導き出す能力も重要ですが、その基礎は、小学校から高校までの間に育まれてきたと思います。大学では、そのような基礎学力を基に、何週間や何ヶ月もの長い時間かけて考え抜いて、自分なりの解決策を出すという力を養ってもらいたいと考えています。この力を「たくましい知性」と、呼びたいと思います。

しなやかな感性

今日では、日本社会のどの市、町、村に住んでも、またどのような仕事に就いても、グロー3バル化の波に揉まれ、多様な視点を考慮することは不可欠です。これからは、日本に住んでも、海外に住んでも、異なる性別、国籍、民族、言語、宗教、文化、価値観を持つ人々の考え方を理解した上で、人類社会が直面している問題の解決策を考えて行かないと、視野の狭いものになってしまいます。視野を広くするためには、異なる文化や価値観を持つ人々と接して、「しなやかな感性」を養う必要があります。そのために、最も効果的なことは、在学中に一度は海外に住んでみて、外から日本を見つめ、同時に異なる言語、文化、価値観を持つ人々と接してみることです。それも、旅行ではなく、一定期間をその国に住んで見ることだと思います。早稲田大学は、現在では、1 年間に約7,500 名の留学生が海外から早稲田に来て学んでいます。同時に、早稲田から海外に留学して勉強している学生の数は1年間に約4,500名にのぼります。早稲田大学は、全国のどの大学よりもずっと多くの留学生の受け入れと、送り出しをしています。このことは、今述べました「しなやかな感性」を養う環境が、早稲田では非常に整ってきていることを意味しています。皆さんも、今後、多様なプログラムや制度を活用して、短期間でも良いので、一度は海外留学をして、「しなやかな感性」を養ってください。

早稲田は、学生が求めることは、ほぼ何でも出来るように環境が整っています

学問研究でも、体育各部の競技スポーツでも、サークル活動でも、ボランティア活動でも、様々な学生のニーズを満たすような多彩な活動が展開されています。早稲田は、奨学金も日本で最も充実している大学の一つであり、特に、本学が独自に用意している奨学金は、年間約35億円で、その全てが給付型となっていることは、誇れると思っております。

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