高等学院は、早稲田大学創立150周年(2032年)を見据えた、将来構想を策定しました。
これらは高等学院の構想段階のものであり、大学として決定したものではなく、今後議論を深め、必要性と適切性が認められるものについては、正規の手続きを経て順次開始していきます。
すごいですね!
公開日 2012 年 11 月 15 日ですが参考になります。
高等学院の将来構想
広げ、深め、つながる教育
―幅広い教養、専門分野への深い探究心、高いコミュニケーション能力を育む教育の展開―
1.2032 年(創立 150 周年時)のイメージ
建学の趣旨をふまえて、早稲田大学各学部でその中核として十分に活躍できる生徒を育成すると同時
に、社会に出てからもますます複雑化する数多くの課題に、日本・世界全体を視野に入れて果敢に取り
組んでいく生徒を育成していきたい。そのためにも、「幅広い教養」、「専門分野への深い探究心」、「高いコミュニケーション能力」を育む教育を展開していく。
今後、大学レベルだけでなく高校レベルでもますます国際的な交流・競争が進み、進学後の高等教育
での国際競争に耐えうる能力が必要となる局面が 2032 年ころまでに現実化する可能性がある。そのためにも論理的思考・語学力・表現力の涵養だけでなく、信頼される人間の育成まで視野に入れたコミュニケーション能力の育成は重要である。
現在、高等学院では、学校ごとの協定、あるいは外務省など公的機関を通じての協定を、台湾、ドイ
ツ、韓国、フランス、中国、などと結んでいるが、今後さらにこれを増やして生徒の海外派遣や、海外
からの訪問等の受け入れ増を目指していく。2032 年までには生徒が在学中に一度は国際交流を体験すること、日本語(あるいは英語)で適切に自己表現できるようになるようにし、学部進学後もあらゆる国、地域からの学生と積極的な交流が可能になるようにすることを目指す。
授業は ICT も十分に利用して講義に偏らず、参加発信型としていく。「知」を継承するだけでなく創造
する経験を直接・間接に積み重ね、大学進学後に役立てていく。あらゆる面で学部・大学との連携を進
め、学術・スポーツ・国際交流面などにおいて早稲田全体のリソースを生かした教育をおこない、早稲
田が国際的に主導的な役割を果す中核たる人物を育成する。
2.5年程度の将来像
学校形態を 2010 年に中高一貫併設型に変更したことをふまえ、より優れた教育を提供できる学校とするため新たな取り組みを含めて教育の全般的な質的向上を目指す。
A. 2032 年に向けて:教育内容の進化・深化の可能性を追求
21 世紀中葉に向け、早稲田大学の建学の趣旨・高等学院の教育目標をふまえ、一人ひとりが豊かで有為な人生を送ることのできる基礎作りをする。
具体的には、国内外における各分野でリーダー的存在として活躍できる人(a)、
社会に貢献できる人(b)
の育成を期して教育活動をおこなう。そのために、基礎力(c)
に加えて理系文系の枠を超えた幅広い教養の涵養(d)、
専門としていく領域への深い関心(e)の醸成、
コミュニケーション能力(論理的思考力や表現力など)(f)
の育成を目指す。
(1) 国際化と各種プログラム(a),(b),(d),(f)
・国際社会で活躍できる人材の育成
政府招致留学生(ドイツ)・PASCH プログラム(ドイツ)・コリブリプログラム(フランス)・孔子課堂(中国)
などの活用と発展。中学部での諸外国文化・言語に関わる学習
・多様な国際交流経験(交流事業の促進、新規プログラムの開拓、生徒プロジェクト活動の展開など)
日韓高校生交流キャンプ(日韓経済交流協会)、国際学生シンポジウム(学院協定校主催)、ワールドリーダーズサミット(馬場財団)、高校生国際交流プログラム(AIU)など。
・学院から留学する生徒に対する海外修得単位の要卒単位認定(3 年卒業)
(学費、単位認定、成績認定、法的処理、提携校限定か否かなどの検討)
・送り出し留学生、受け入れ留学生増加(外部の学生寮などと提携検討)
・優秀な受け入れ留学生の(可能な学部との事前協議を経て)学部への推薦検討
・他校(国内外)との交流、遠隔授業の展開
国内他校、国外協定校などとの遠隔授業と単位互換、相互訪問、講演会などでの交流推進。
(2) 地域連携と各種プロジェクト活動(a),(b)
・リーダーとなる人材の育成 ―問題意識の醸成・高い教養・実践対応力-
地球市民の育成:自主自律の精神を持って、的確な判断、行動をするための能力、見識を養成するため、
教科内および教科外の独自プログラム開発と外部プログラム参加 (現在参加している外部プログラム
例:アスペン Jr.セミナー(日本アスペン研究所)、JA(Junior Achievement)各種プログラム、その他など)。
(3) 卒論指導やプレゼン能力の向上(f)
・「入試」によらない教育内容の深化
論理力、表現力の向上、そのための教科連携(口頭・文章、日本語・英語その他)。
卒業論文の充実、外国語でのコンテンツ授業。
理系・文系によらないコースの可能性を検討。
現行行事の見直し、追加。
(4) 高大一貫教育の推進(d),(e)
・一貫教育の取り組み(以下は現行事例)
中学部 各学年全員キャンパス訪問:(1 年)早稲田(2 年)所沢(3 年)西早稲田。
アウトリーチプログラム参加など。
高校 学部担当者による大学でのモデル講義。
学院での学部説明会、オープンキャンパス参加。
学部正規授業受講(オープン教育センター科目、法学・商学・理工学術院科目)。
院での授業(理工・文・教育・人間科学・スポーツ科学学術院担当者)。
学部での授業(学院科目の一部、一時期のみ)など。
・学部教育制度との連携
飛び入学、(高校学籍のまま)学部での授業、9 月入学への接続、一部科目や特定の曜日に大学で履修。
チュートリアルやライティングなどの受講[チュートリアル(中国語)は実施中。]
・大学院生との交流
(5) 新教育課程・SSH の活用(c),(d),(e),(f)
・確実な基礎力、幅広い一般教養と専門性の深化
・突出した能力を持つ生徒の育成
・SSH事業の活用と発展
B. 教育の環境整備 ―ソフト・ハードの改善―
・FDの推進:授業改善(研修会など)、教員の交流(国内外)
・新たなクラス数、授業時数、クラブ活動、行事等に対応できるキャンパス整備(3 期~)
C. オープン化の推進
・上記 A1、A2に加え、保護者・同窓生・地域・その他関係者との新たな連携
D. その他
・大震災への備えと対応
・積極的な募金活動の継続
・入試と広報体制の充実
高校一般(帰国生)入試、自己推薦入試試験内容検討。
中学部入試における評価の定着。
学校説明会、メディア、HPなどの広報活動。
・限りある校舎・空間・財源の有効活用
https://www.waseda.jp/school/jhs/assets/uploads/2016/06/wasedav150.pdf
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