大学の淘汰が加速。国立大学法人が複数の大学を運営可能に「1法人複数大学制」スタート。

マナボウニュース

ハイスピードで進行する少子化。学校市場の急速なダウンサイジングに霞が関が法改正に動く。

当法改正により、国立大学法人も私立と同様に経営と執行(教育)の分離を行うことができるようになる。私立では理事長と学長の2つの役職があるところが多い。

大学総括理事の新設

学校教育法等の一部を改正する法律案の概要
大学等の管理運営の改善等を図るため、大学等の教育研究等の状況を評価する 認証評価において当該教育研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの 認定を行うこととするとともに、国立大学法人が設置する国立大学の学校教育法 上の学長の職務を行う大学総括理事の新設、学校法人の役員の職務及び責任に関 する規定の整備等の措置を講ずる。

国立大学法人法の一部改正、国立大学法人岐阜大学と国立大学法人名古屋大学を統合して国立大学法人東海国立 大学機構を創設、同機構が岐阜大学と名古屋大学を設置

②国立大学法人が複数の大学を設置する場合その他管理運営体制の強化を図る特別の 事情がある場合には、学長選考会議の定めるところにより、設置する大学の学校教育 法上の学長の職務を行う大学総括理事を設置できることとすること【第10条第3項等】

③ 理事数が4人以上の国立大学法人は、理事に学外者を複数含めるものとすること 【第14条第2項】

④ 国立大学法人評価委員会は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に認証評価 の結果を踏まえて国立大学法人評価を行うよう要請すること【第31条の3第2項】 等

東海国立大学機構設立に向けた基本合意について

国立大学法人岐阜大学と国立大学法人名古屋大学は、平成30年12月25日に「東海国立大学機構」の設立に向け基本合意をいたしました。全ての国立大学は、法律に基づいて設置された国立大学法人によって設置されることになっていますが、今回の基本合意は、岐阜大学と名古屋大学を設置する二つの国立大学法人を統合して、共通する一つの国立大学法人とした上で、この法人が岐阜大学と名古屋大学を設置し、それぞれの大学を経営する形式に移行することを目指すものです。この法人統合の実現のためには、法律(国立大学法人法)の改正が必要であり、現在、国において検討が進められております。両国立大学法人は、国による制度的な整備が行われることを前提に、統合に向けた準備を進めております。

岐阜大学と名古屋大学が所在する東海地域は、製造業が域内に高密度に集積した世界有数の経済圏です。一方で、現代はデジタル革命、第四次産業革命とも言われる変革期にあり、産業構造も社会も、大規模かつ急激に変化することが予測されております。地域発展のあり方についての海外事例を見ると、地域に有力な大学あるいは大学群があることが成功のカギの一つであることがわかります。大学が地域創生に貢献するとともに、地域の発展を取り込んで大学も教育や研究をはじめとする機能を飛躍的に強化させていく好循環が形作られているのです。このような観点に立ち、岐阜大学と名古屋大学は、未来社会に向けた国立大学の役割として、東海という広がりをもった地域を視野において、大学の役割・機能を一層強化するための一体的な経営が必要であると考えました。

このため、地域貢献をその使命とする岐阜大学と、世界の研究大学を目指す名古屋大学は、そのミッションの違いを前提としながら両大学を一体的に経営する東海国立大学機構を設立し、一つの法人の下で両大学の持てる力を共有し、事務体制等の統合や経営高度化を進めることにより、これまで以上に地域創生に貢献するとともに、世界屈指の研究大学への発展に向けて機能を強化してまいります。

東海国立大学機構の設立後も、岐阜大学と名古屋大学は引き続き、これまでの形で存続しますが、法人統合により、従来の大学間連携では不可能であった、それぞれの大学の特長を活かした教育面での協働、重なり合う分野の力を活かした高度な研究拠点の形成、世界水準の研究活動による知的成果の創出、そして国際通用性のある質の高い教育の展開を図り将来有為な人材を社会に送り出してまいります。

岐阜大学、名古屋大学への進学を検討されている受験生及び保護者の皆様、両大学の在学生、卒業生の皆様、そして、両大学を様々な形でご支援をいただいている東海地域の皆様、自治体、産業界の関係者の皆様、そして国立大学の基盤を支えていただいている国民の皆様には、今回の基本合意の趣旨についてご理解をいただき、両大学の一層の発展を目指した東海国立大学機構の設立とその運営について、引き続きご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

平成30年12月25日

岐阜大学長   森脇久隆
名古屋大学総長 松尾清一

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