高校生も受講できるそうです。リケジョにもおすすめですね!
内容:
理化学研究所計算科学研究センターで開発され、最新のスーパーコンピュータの性能ランキングで3期連続の四冠を達成したスーパーコンピュータ「富岳」。今回の公開講座では「スパコンの世界と物理学の未来」をテーマとし、今後、幅広い分野での利用が期待されるスーパーコンピュータを研究に活用している研究者に講演いただき、スーパーコンピュータが物理学の未来に大きな貢献があることを示していきます。講演ではスーパーコンピュータの特性とその特性を利用する2つの側面について話題を提供いたします。
日 時:2021年11月27日(土)13:00~16:30
会 場:オンライン開催(Zoomウェビナー)
対 象:高校生、大学生、(小中高校等の)理科教員、一般
参加費:無料(要事前申込)
定 員:1,000名(申込先着順)
プログラム
13:00~13:05 | Zoomの操作方法説明 | |
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13:05~13:15 | 開会挨拶 | 田島 節子 (日本物理学会 会長) |
13:15~14:15 | スーパーコンピュータ「富岳」が拓く計算科学 | 佐藤 三久 (理化学研究所計算科学研究センター 副センター長) |
14:15~14:20 | 休 憩 | |
14:20~15:20 | スーパーコンピュータで解くミクロ世界の3体・4体問題 | 肥山 詠美子 (東北大学大学院理学研究科 教授) |
15:20~15:25 | 休 憩 | |
15:25~16:25 | 宇宙138 億年の進化と天体の形成 | 吉田 直紀 (東京大学大学院理学系研究科 教授) |
16:25~16:30 | 閉会挨拶 | 田村 裕和 (日本物理学会 副会長) |
講演概要:
1件目は、1件目は、スーパーコンピュータ「富岳」のシステムと期待される成果について講演します。「富岳」は、独自開発の国産プロセッサA64FX 15万チップを結合した大規模な超並列コンピュータであり、その理論演算性能は1エクサフロップス(1秒間に、10の18乗回の単精度浮動小数点演算)に達します。いくつかのベンチマーク・ランキングで世界1位となりましたが、様々な分野でこれまでにない規模の計算が可能になり、多くの科学技術分野において成果が期待されています。スーパーコンピュータとは何か、「富岳」のシステムの概要、さらに「富岳」が拓く計算科学の世界についてお話します。
2件目はスーパーコンピュータを用いた原子核分野の研究について講演します。多くのメンバーとその間の相互作用から出発して、グループ全体の性格・行動を議論することを「多体問題」と呼びます。原子核分野では特に、中性子・陽子で構成される3体・4体問題系を解くことは数値計算上困難を伴います。こういった問題を解くことは原子核分野では最先端の課題の一つであり、最新のスーパーコンピュータを活用して解くことになります。講演では、どのようにして解いていくのか、その困難はどこにあり、どうやって克服していくのかを、人間社会に例えながら述べます。
3件目は、宇宙大規模構造のシミュレーションについて講演します。最近の宇宙の観測から、宇宙の構成要素や進化の歴史について多くの事が分かってきました。ビッグバンとよばれる火の玉状態で誕生した宇宙は、その後闇に閉ざされ、暗黒の時代をむかえましたが、やがて星や銀河などの光輝く天体が誕生し、宇宙は再び光に満たされるようになりました。現在の宇宙には差し渡しが数億光年にもおよぶ銀河分布の大規模構造が形作られており、様々な望遠鏡により宇宙の3次元地図もつくられています。講演ではスーパーコンピューターによるシミュレーションの結果を用いて宇宙進化の謎に迫ります。
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