ゼロ歳から 15 歳の子供たちを何とかどの子も税金を納められる存在に!教育再生実行会議(第44回 H31.1)

マナボウニュース

国の教育方針を示す教育再生実行会議の44回目が本年1月に実施されています。安倍総理も出席しており重要な会議体ですね。

司会進行は早稲田総長の鎌田氏です。
高等学校改革がテーマです。

長文ですが、読んでいくと結構なるほどふむふむ的なテーマを挙げていてまさに「教育は国家百年の計」だということです。

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  1. 全ての小・中・高等学校等において遠隔教育を活用
  2. 普通科の在り方について見直すとともに、地域が抱える課題の解決に向けた学びの推進、文系と理系科目の両方をバランス良く学ぶ仕組みの構築
  3. 例えば「情報」の免許を持っている者が「技術」の免許を取ろうとすると、 通信で取れる学校がないのです。28 単位ぐらい取らなければいけないので、現実的には教員をしながらもう一つの免許を取ることは非常に難しい
  4. かつてのゆとり教育のときのように、労務の都合から発信してしまいますと、子どもの教育の受け皿が不充分になる危惧がありま す
  5. リカレント教育も更に発展させて、プログラミングやデータサイエンスなどを教えないと、もう外国には負けてしまうだろう。 そういうことを、これからの子供たちについて、小学校からずっと段階に応じた教育をしていくことは極めて大事
  6. 社会人を講師に呼んでくるという考え方もあるでしょうけれども、生徒として社会人の参加も認める
  7. 1人の校長が長く務め、更に権限と裁量度を大きくしていく
  8. 高等学校の進路指導の目標は、職に就き、社会人として生きる意義を自覚させる
  9. ゼロ歳から 15 歳の子供たちを何とかどの子も税金を納められる存在に。進学させるだけではなくて、いかに職に就けていくかということを考えられるような高校に
  10. 社会をリードするわけでもなく、特別な配慮が必要とも思われない生徒、それ以外の子供たちをより大事にしていく視点が必要
  11. 慶応から明治に変わっていくときに、それまで寺子屋で教えていた中身を大きく変えていった
  12. 18 の時に学び で得たものが、50 になると全く使い物にならなくなって、もう一回、学び直す。あと残り 50 年ある
  13. 東京大学の入試の出願資格は、「CEFR の A2 レベル(準2級)で良いのか
  14. このまま行くと、6-3-3では足りないとかいうことになるのかもしれない
  15. 小学校に英語が入ってきたときに、英語は国語、社会、算数、理科の方に入るのか、図工、音楽といういわゆる技能教科に入るのか

全ての小・中・高等学校等において遠隔教育を活用

安倍内閣総理大臣 教育再生実行会議におかれては、第十一次提言に向け、昨年8月から技術の進展に応じた教育の改革及び新時代に対応した高等学校改革の2つのテーマについて御審議いただいております。
本日、その中間報告を取りまとめていただきましたことに対しまして、感謝申し上げたいと思います。
まず、新技術を活用した教育については、全ての小・中・高等学校等において遠隔教育を活用できるようにするなど、新たな学びを推進するとともに、そのために必要な教師の 資質・能力の向上や外部人材の積極的な活用、教材の充実、学校の ICT 環境整備などが重要であると考えます。

普通科の在り方について見直すとともに、地域が抱える課題の解決に向けた学びの推進、文系と理系科目の両方をバランス良く学ぶ仕組みの構築

また、高等学校改革については、Society5.0 を生き抜くことができる多様な人材を育成するため、全生徒の7割以上が在籍する普通科の在り方について見直すとともに、地域が抱える課題の解決に向けた学びの推進、文系と理系科目の両方をバランス良く学ぶ仕組みの構築など、高等学校の多様化を図る改革を進めていくことが重要であると考えます。

各委員におかれましては、提言の取りまとめに向け、こうした観点から、引き続き熱心な御議論をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

中略・・・

例えば「情報」の免許を持っている者が「技術」の免許を取ろうとすると、 通信で取れる学校がないのです。28 単位ぐらい取らなければいけないので、現実的には教員をしながらもう一つの免許を取ることは非常に難しい

○漆委員 教育現場の立場から、技術革新の方で1点、高校改革の方で1点を申し上げます。
技術革新の方は、新技術を入れますときに、古いハード、ソフトも同時に改革しないと ボトルネックができますので、その対応よろしくお願いいたします。本校でも Wi-Fi の工 事を旧校舎に入れますときに、どのぐらいの予算をとればどのぐらい繋がるかがなかなか 見えにくく、予算がかなり超過してきております。なので、予算措置を少し柔軟に考えていただけると有り難いです。
もう一点は、教える人間の確保です。免許を柔軟にしていただくなどの内容が盛り込まれていて、大変有り難いです。プラス、例えば具体的に申しますと、中学校にプログラミング教育が必修になった場合に誰が教えるかという問題があります。「技術」の教科の中
で扱うのが実現的で、教科「技術」の授業を持てる人を校内に増やしておく必要があると 思うのですが、例えば「情報」の免許を持っている者が「技術」の免許を取ろうとすると、 通信で取れる学校がないのです。28 単位ぐらい取らなければいけないので、現実的には教員をしながらもう一つの免許を取ることは非常に難しいのです。教員の中でも教えられる人が増えるような措置をしていただきたいと思います。

かつてのゆとり教育のときのように、労務の都合から発信してしまいますと、子どもの教育の受け皿が不充分になる危惧がありま す


高校改革の方を申し上げます。 教育にも、EBPM を推進するという方針がありまして、大変好ましいことだと思います。 そこで一つお願いいたしたいのは、教員の働き方改革と生徒の教育の在り方についての改革を分けて、きちんとデータに基づいて進めていただきたいということです。
具体的な例を申しますと、部活のガイドラインが出ました。すばらしい内容だと思いましたが、一つ気をつけなければいけないことは、かつてのゆとり教育のときのように、労務の都合から発信してしまいますと、子どもの教育の受け皿が不充分になる危惧がありま
す。日本は部活や行事などの教科外活動で身につく力が非常に大きいと世界的にも認知されています。
私どもの学校でも、実際に統計データをとりました。その結果、部活動に熱心な子ほど、他者感情の認知、自己感情の制御・表現、感謝、尊敬、愛他的行動というようないわゆる非認知能力が全て高く出ております。校内成績にも統計的な有意差が出ているのです。
このように、部活動が非認知能力や学校の成績にも良い影響を与えるというデータがある一方で、部活の問題点もありますので、よい面をきちんとデータ化し、困った面もちゃんとデータとしてとる。そして、教員のことと子供の教育とを分けて、きちんとやっていくことが大切かと思っております。

リカレント教育も更に発展させて、プログラミングやデータサイエンスなどを教えないと、もう外国には負けてしまうだろう。 そういうことを、これからの子供たちについて、小学校からずっと段階に応じた教育をしていくことは極めて大事


○尾﨑委員 私がいつもこのテーマについて申し上げさせていただいています中山間地域における高等学校の問題についてでございます。
地方創生を進めていかなければならない。その中において、地方においては中山間が大多数を占めておりますので、中山間の振興ということは極めて重要です。そして、この中山間において新たな、その地域にとっての外貨を稼げるようなプロジェクトをたくさん仕
掛けていくことが大事かと思いますが、そのためにも人材が必要ということになります。
高等学校がある。そのことによって、様々な活力が生まれると同時に、逆に言いますと、高等学校がないような地域となってしまうと、移住者を確保することも極めて困難ということになりかねないということもありまして、でき得る限り、中山間の高等学校は少子化の時代においても残す。そうしないと、反転攻勢のよすがさえも失ってしまうことになりかねないと考えております。
この中山間の高等学校の振興を図っていく上で非常に重要なこととして、各校がそれぞれの地域の特色を生かして、例えば地域における湖を生かしたカヌー競技を徹底して教える学校をつくろう。それで全国から留学生を呼んでこようとか、いろいろな特色を生かし
た教育を行おうとする。そのことを是非力強く応援いただきたいと思います。
もう一つ、そういう中において、少人数で小規模だからこそのハンディキャップを埋め ていくためにも、ICT による遠隔教育によって、中山間においても、例えば高知県でいえ ば高知県の一流の先生方による ICT 教育をやってもらうことで、一流の教育を中山間でも 受けられる環境整備をすることは大事だと思います。
この4月から、我々も理科と数学Ⅲについて補習教育的なものを実験的に始めてみよう
と、再来年度からの本格展開に向けて今、準備を進めているところでありますが、是非そういうことを展開していきたいと思います。
もう一点、もしかしたら文部科学省の範囲を超えてしまうのかもしれませんけれども、技術の進展に応じた教育の革新については、極めて大事なことだと思います。リカレント教育も更に発展させて、プログラミングやデータサイエンスなどを教えないと、もう外国には負けてしまうだろう。
そういうことを、これからの子供たちについて、小学校からずっと段階に応じた教育をしていくことは極めて大事なことだと思いますが、恐らく、大多数の大人たちが学び直しの機会を持つことも極めて大事になってくるのではないかと思うところでございます。
そうしたときに、例えば都会はそういう機会がたくさんあるのだろうと思うのですが、中山間ですとそういう機会が著しく限定される。 実際、ニーズは高いと思っていまして、我々も例えば IT コンテンツアカデミーなどとい うものを県主体でやったりしますと、たくさん人が来るのです。

社会人を講師に呼んでくるという考え方もあるでしょうけれども、生徒として社会人の参加も認める

そういうニーズを考えても、中山間などにおいて、高等学校が子供たちに教える教育内容について、例えば社会人にも開放する。社会人を講師に呼んでくるという考え方もあるでしょうけれども、生徒として社会人の参加も認める。そうすることで、逆に中山間の高校の存在意義を高め、高等学校の存続につなげることができればという思いもあるのですけれども、そういう点は是非御検討いただけないかと思います。 ICT 教育の充実、特色ある教育の後押し、また社会人の学びの場としても開くというこ とについて、是非今後、検討を深めさせていただければと思います。

1人の校長が長く務め、更に権限と裁量度を大きくしていく


○三幣委員 資料にも記載しておりますが、これから私の方で取り組んでいかなければいけない内容ということで、3つ申し上げます。
1つ目は、改革に当たって、校長・教職員の力を信じることを前提とするということで、校長の在職期間を長期化していくことが明記されました。大変有り難いことですけれども、県教委からも校長の権限と裁量度をより大きくしていく、法律を超えるような通知等が出たりしますので、1人の校長が長く務め、更に権限と裁量度を大きくしていくことが、これから私どもが求めていくことの一つかと思っています。

高等学校の進路指導の目標は、職に就き、社会人として生きる意義を自覚させる


2つ目ですが、高等学校の進路指導の目標は、職に就き、社会人として生きる意義を自覚させるということで、資料のとおり働くことの意味は、「恒産恒心」、「養護施設の子供の詩の例」、及び「イギリスの作家ケン・フォートレットの言葉」にもありますが、自己実現の機会だと思っております。

ゼロ歳から 15 歳の子供たちを何とかどの子も税金を納められる存在に。進学させるだけではなくて、いかに職に就けていくかということを考えられるような高校に

ゼロ歳から 15 歳の子供たちを何とかどの子も税金を納められる存在にということで、私どもの教育委員会は教育していますが、不登校あるいは不登校に近い形、発達障害等で支援の必要な子供たちがいます。そういう子供たちが高校を卒業した後、職に就けない状況が非常に多くなってきておりますので、高校教育の在り方としては、卒業させるだけ、進学させるだけではなくて、いかに職に就けていくかということを考えられるような高校にしていかなくてはならないのではないか。これが2つ目です。

社会をリードするわけでもなく、特別な配慮が必要とも思われない生徒、それ以外の子供たちをより大事にしていく視点が必要


3つ目としましては、いわゆる普通の生徒(中間層)を大事にした高等学校教育の在り方を求めるということで、社会をリードするわけでもなく、特別な配慮が必要とも思われない生徒、それ以外の子供たちをより大事にしていく視点が必要なのではないか。
特に私ども地方にとっては、日本をリードするような子供は早くから、高校に入学する段階から地域を出ていきます。残された子供たちは、ごく普通の子供が残っていく。その子供たちがいかに落ちこぼれ感を持たないで、存在感や達成感を持って人生を生きていけ
るような教育をしていかなければ、社会としては健全ではないのではないかという思いを持っています。

3つほど例を申し上げますが、1つ目は、教育の個別化がどんどん進んでくるわけでございます。その中で、今までの教科書以外にも、副教材と呼ばれるような各種の資料やデータがより多く出てくるようになるのではないかと思っております。これらのものに対す
る責任は誰がとるか。今までは、各先生方が責任を持って、そういうものを生徒に示したわけですが、これがより重要な意味を持ってくるとなると、今までの教科書と同じように、そこに国の責任の関与が必要ではないかという議論がございました。これについて、もう少し突っ込んでもいいのではないか。

2つ目は、各生徒個人の特性、資質評価などの個人データの集積又は比較、プラットフォーム化も、これから個別授業、個別教育をやっていく上で必要になってくるだろうと思うのですが、これらの個人データの管理、責任をどこが持つべきか。全国的なプラットフ
ォーム化ということになると、個々の学校や個々の地方団体だけでは責任が持てないのではなかろうかという気もしますので、その辺のところも議論が出てくるのではないか。
3つ目は、カリキュラムの見直し、取捨選択といった場合に、とる方、例えば英語の教育が必要、デジタルサイエンスの教育が必要、道徳の教育が必要というのはどんどん議論が進み、書き込むわけですが、増えるばかりで、減らすものがないとパンクしてしまう。だから、減らすことを各先生方が自分で考えてやってくださいと言って、放り投げて良いのかどうか。小学校でも選択制にするというのは極端な例ですが、そういうことも少し議論が必要なのではなかろうかということが議論されました。

慶応から明治に変わっていくときに、それまで寺子屋で教えていた中身を大きく変えていった



○安倍内閣総理大臣 改めて、中間報告の取りまとめに当たって、活発な議論をしていただいたことを感謝申し上げたいと思いますし、短い時間ではございますが、それぞれの専門の立場から、大変有意義な御議論をいただいたと思います。全体を俯瞰しての議論、教師の立場としてあるいは学校を経営していく、現場を持っている立場、過疎地を抱える県の知事としての立場、それぞれ御意見をいただいたと思います。 今、起こっていること、あるいは教育が対応しなければいけないことというのは、少し大げさかもしれませんが、慶応から明治に変わっていくときに、それまで寺子屋で教えて
いた中身を大きく変えていったわけです。そうしないと、日本という国は立ち行かないという状況だったのだろうと思います。今まさに、第四次産業革命で起ころうとしていること、起こっていることはそれに近いわけであります。ですから、ICT においては、ICT の 専門家になる必要は全然ないのですが、それをある程度は使えないと、日々の生活自体に 大きな支障が起こるということではないかと思います。 例えば、スマホを使って、今や買物等ができる時代になってきている中において、ICT の専門家ではなくても、ICT をツールとして英語や国語等の授業を非常にうまく行ってい くこと、それぞれカスタムを経て教育を行うことも可能なのだろうと思います。 尾﨑知事からも話が出ましたが、過疎地でなくなるかもしれないという学校を残していく上において、遠隔教育を活用していけば、統合させなくても、教え方のうまい先生の授業を、今まで1人の先生が全部教えなければいけなかったものが、そうではなくなったりするかもしれない。もちろん、現場でどう対応していくかという問題はあると思います。ですから、これを いかに活用していくかということで、様々な可能性も出てくるのではないかと思います。

18 の時に学び で得たものが、50 になると全く使い物にならなくなって、もう一回、学び直す。あと残り 50 年ある

そういう観点からも御議論いただいていることを、大変うれしく思いますし、同時に、 人生 100 年時代になりましたから、いろいろな変化がどこかでまだ起こる。18 の時に学び で得たものが、50 になると全く使い物にならなくなって、もう一回、学び直す。あと残り 50 年あるということになるわけであります。そういう意味では、学校の使い方も、先ほど 尾﨑知事から話を伺って、そうなのかなと思ったところでございます。技術の進展に応じ た教育を今こそしっかりと進めていくことが大切であると。 特に、その中のトップランナーをつくっていくということも重要なのですが、先ほど話があったように、全ての子供たちに向き合いながら、その子供たちの人生が豊かになるように、どのように見据えていくことができるかということも考えつつ、進めていきたいと 思います。 この教育再生実行会議は、「継続は力なり」ということで、ずっと6年間議論を続けています。こういうものは普通、1・2年で方向を出して終わるのですが、教育というのは 次々と新しい課題が出てくるのだと思います。 今後とも、我々政策をつくって実行する立場としては、皆様から様々な意見を出してい ただき、注文をつけていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

東京大学の入試の出願資格は、「CEFR の A2 レベル(準2級)で良いのか

今回の提言の趣旨とは若干ずれますが、大きくは、高大接続、高校改革に密接な関係が ございますので、発言をさせていただきたいと思います。
ちょうど3週間ほど前に、元グーグルのアメリカ本社の副社長でいらっしゃった村上憲郎さんとお話をする機会があり、その際に、村上さんが自分の名前を出してもいいので、ぜひ言ってほしいと言われたことがありましたので、そのことをお話しします。
昨年 9 月、東京大学の入試の出願資格は、「CEFR の A2 レベル以上」に相当する英語力であることが発表されました。皆さん御存じだと思いますが、CEFR は A1~C2 までの6レベルがあり、一番上が C2、そして C1、B2、B1、下位2つ、基礎的な部分として A2、A1 とあります。東京大学が下から2番目の A2 を出願資格としたことに、村上さんは「何を考えているのか。こんなことを考えるのは文系の学者か英語学の古い保守的な先生たちではないか。学者であっても、国際会議で日本人が英語で発言し、会話するのはすごく大事なことだ。それを何でこんなに低い基準にするのか」と言われて、なぜか私は怒られていたのです。
教育再生実行会議のフォローアップ会合は開かれていませんし、そのままということなのかもわかりませんが、先ほど安倍総理から、継続は力というお言葉も頂きました。東京大学というのは大学入試改革のヒエラルキーの一番頂点です。A2 レベルというのは、英検の準2級と同じレベルです。まさか東大がそのレベルで全ての学生を受け入れるわけでは
ないと思います。しかし、世の中の多くの保護者は、「自分は英語はしゃべれなかったが、
自分の子供には、やはりグローバルの中で活躍してもらいたい。英語で多くの人とコミュ
ニケーションをとるようになってもらいたい」と思って、幼稚園のときから英語に親しむ
ような様々な教育をさせておられます。そうした方々からすれば、これを見ればもうあま
り英語は勉強しなくていいのですねみたいな声も出るかも知れませんし、英語が苦手な人
から見たら、旧帝大はみんな一緒なので、英語はそんなにやらなくても、AI が勝手に翻訳
をしてくれるから、しゃべれなくてもよくなるのだよねと言っている方も実際にたくさん
おられます。国民の税金で成り立っている国立大学の象徴的なところが、この基準でいい
と言ってしまっていることは、国民的に言ったら、賛否両論あり、おかしいなと思うので
す。
高校改革に関してのワーキング・グループでは、グローバル、英語に関しては議題にな
らなかったので、話す機会がありませんでしたが、これは是非フォローアップ会合の中で
も取り上げていただきたいと思います。私は東大の方針が駄目だとは言いませんけれども、
その理由がよくわからないのです。公平性が担保できないと漏れ聞きますが、テストに関
しては時間も問題数も限られた中でしかできないのですから、もともと完全な公平性は担
保できないのではないでしょうか。この問題については、一度、しっかりとどういうこと
なのかを議論しないと、受験生含めて国民は大混乱するのではないかということを、一言、
申し上げたいと思います。
○鎌田座長 ありがとうございます。
フォローアップにつきましては、総理は最初から非常に大切だとおっしゃり続けていま
す。ここのところフォローアップの会合を開いておりませんけれども、第十一次提言の取
りまとめと並行して、フォローアップ会合を開催し、特に高大接続につきましては、具体
的に議論が出てきているところですので、是非その点についての委員の皆さんの御意見を
伺うようにしたいと思います。
どうもありがとうございました。
それでは、八木委員、お願いします。
○八木委員 私は技術革新のワーキング・グループにいたものですから、その中で、国立
情報学研究所教授の新井紀子先生のお話を伺ったこともあるのですが、新井先生がおっし
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ゃっているのは、AI は思ったほど賢くないということです。意味認識はできないというこ とですから、世間一般に、AI に対する過剰な期待があるのですが、そこのところは、AI は何ができるのか、何ができないのかということについての冷静な判断が必要だろうと思
います。 そうは言っても、新井先生は一方で、余り賢くない AI であっても、AI の導入によって 世の中ががらっと変わってくる。まさに第四次産業革命が行われるというほどの大きな変
化が訪れるということ。つまり今後、技術は、かつて日進月歩と言っていましたが、もっ
とすごいスピードで革新されていくということだと思います。
そこで、総理からも言及があった遠隔教育なのですけれども、今回、提言に入ってよか
ったのですが、これは内輪話なのですけれども、たしか3年ほど前に、規制改革推進会議
の委員の方から、遠隔教育を導入できないのか文部科学省に聞いてみてくれということで、
内々に聞いてみましたら、それは導入できませんという反応がすぐに返ってまいりました。
つまり、どんどん技術が進んでいく中で、文部科学省の動きが鈍いのだという指摘が現に
あるわけです。
そこで、この提言で終わらずに、どんどん技術は進展していっていますから、新しい時
代に対応できる教育の在り方を、今後も考え続けていく。その際には、他省庁とも連携し
ながら、いろいろな情報を入れて、現実に即した検討をしていくことが必要だと思います。

これは繰り返し言っているのですけれども、教育・研究予算が余りにも乏しくて、この
ワーキング・グループの中でも、外部から来ていただいた方から、ボールペン1本買えな
いという指摘もあったほどで、税金でその手当てが難しいということであれば、民間資金
も含めて、教育・研究に充てるお金を何とか確保していく方法は考えなければならないだ
ろうと思います。とにもかくにも、研究・教育の予算の確保が必要であると思います。
以上でございます。
○鎌田座長 山内先生、いかがですか。
○山内委員 重要なテーマ2つに関して、第十一次提言として出されたということで、も うつけ加えることはほとんどないのですが、大きな枠組みとして、Society5.0 という話を きちんとしているという枠が私は生きていると思います。
その中で、特に国際競争の中における2つの課題を、今回はいずれの答申においても何
らかの形でグローバル化における日本の教育あるいは国際化の時代における日本の高等教
育、様々な意味での国際化が一つの導きの糸になっていたわけです。
今回もその意味で、いろいろな横文字などの省略なども含めまして、このままもし英文
で出した場合、対応できるようなものになりまして、これ自身も発信能力を持っているも
のになったのではないかと思います。 先ほど佐々木委員の方からありました A2 の問題は、東京大学にいた者としても、離れ て久しいので私はわからないのですが、ただ、考えている人間たちの発想法や思考法でど
うしてそういうことになろうかというあたりですけれども、恐らく、全国津々浦々のまさ
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に遠隔地の高校、離島などの高校も含めて、公平性を担保するということでしたが、特定
の有利な環境にある大都市、都市部の生徒だけに有利になるのみならず、そういう子供た
ちが結果として多くなるのは、東京大学という大学の地方大学化、ある限られたところの
人材しか採れない。好意的に考えれば、そのようなことにならないために、そこに関して
はある程度、緩やかにするという発想が作用している可能性はあります。
しかしながら、おっしゃったことは全くごもっともなことでもありまして、どのように
してそういう理念と現実の国際競争に責任を持つ大学としての東大が調和を図って解決す
るのかというところは、別の課題として残るのではないかと思います。
以上、感想を申し上げました。
○鎌田座長 ありがとうございました。
鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 この報告書に具体的なことでお願いがあります。
今までは余り扱っていませんでしたが、定時制高校があります。定時制高校といったと
きは、今はいろいろな形で、概念も違ってしまって、捉えにくいのですけれども、我々が 一般的に考えるのは夜間定時制高校です。働きながら学ぶ夜間高校生は 1950 年頃は、 3,000 校の中に生徒が 50 万人いました。ところが、つい最近の調査だと、現在、定時制全体で在 席する生徒は 10 万人ぐらいに減ってきている。 10 万人の内訳も、働きながら学ぶ生徒、経済的都合で行けない生徒が入っているのでは なくて、いろいろな事情を持って全日制高校から落ちてきたり、外国から移ってきて、行
き場がなくて入ってきたりという子がいるわけです。あるいは、特別支援学校に行かない
で入ってくる子がいる。そういう雑多な子たちが集まってきて、何となく教育をやってい
る。 つい隣の県で、データを調べていたら、その県には 25 校ありまして、在席している生徒 は 680 人だそうです。定時制は4年間ですから、680 人を割ってみますと、結局、1校の 1学年当たりの生徒数は8人ぐらいとなり、それで定時制高等学校が運営されている形な
のです。そういう中で教育していって、果たして本当に社会性や誇れるような知識を身に
つけて、社会参加できるのだろうかというと、なかなか難しいと思われます。
ですから、外国籍の方は外国籍の方が行けるような学習目的に沿った学校を、余力のあ
るところにつくっていくような、積極的な提言をやった方がいいのではないかと思うので
す。 私は 12 年間定時制に勤務しました。教え子の中の一人が突然同窓会に来なくなったので その理由を尋ねたら、子供たちに自分が夜間高校を出たことを知られたくないということ
です。夜間高校卒業が恥ずかしいという意識もあり、夜学を出たことを誇りに思えない。
その辺が非常にネックとなっており、私はそのような彼の気持ちを理解できます。この際、
夜間高校という括りは一切やめてしまって、総合学科の中に含めてしまうようなことが必
要かと思いました。これが1点です。
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もう一つ、急がなければいけないと思いますのは、教育現場の世代交代が進んだわけで す。今、教育の現場は物すごく若返って、ある小学校では平均年齢はそれまでは 50 何歳だ ったのがいまでは 32 歳だというのです。それがやがて中学、高校にも進んで、かなり若い 教員が入っているのです。この若い教員層は、ベテラン世代の教員とは意識の在り方が全
然違って、新人類と言いわれても仕方がない。見方を変えれば、新人類と言われるゆえん
ともなる意識ばかりでなく、新たな知識やいろいろな技術も身に着けているわけですから、
そういったものを活用して、もっと教育現場を変えていかなければならない。
要するに、ここではベテラン教師が若い教師を指導するという言葉が出てくるわけです
けれども、若い教師も積極的にベテラン教師に物を言っていくような学校づくりをしてい
かないと、新しい時代に対応できない。
今、社会の現場では、様々な知識や技術を持ちながら、定年が来ました、定年が間近で
すと肩をたたかれる方も多いと聞いていますが、本当に惜しい。
この方々を、学校現場にどんどん受入れて教師として活用いく。難しい制約をあまり設
けずに、柔軟に教育人材の活用を図ってはいかがでしょうか。社会人教師の免許なども柔
軟に与えていくようなシステム、それで何十万人という教師をつくっていく。それが日本
の教育を下支えする一つのきっかけになるのではないかと思います。あとは選抜に当たっ
て、経験のある教育委員会の方たちが、若い者と同じような試験ではなくて、経験を生か
す形の選抜制度に変えていった方が良いと私は思います。
○鎌田座長 ありがとうございました。
倉田委員、どうぞ。
○倉田委員 倉田でございます。 ICT の方に参加していましたので、ICT の関係で2点、申し上げたいのです。 1点、これはワーキング・グループの方でも言ったのですが、日本の義務教育というの
は、よくも悪くも自治体の教育委員会に委ねられていて、これが格差の原因になってしま
っているわけです。もちろん、各首長や教育委員会が頑張らなければいけないのは当然な
のですが、頑張っていこうとしたときに、一体何を頑張ったら良いのか、どういうことが
効果的なのか、客観的に証明された教育手法とかそういうものが、あまりないのです。み
んな「良いに違いない」ということを言っているだけなのです。 ICT が進展していくと、データがたくさん蓄積されて、結果を客観的に測れるようにな りますから、是非国の方でもデータをしっかり活用して分析し、客観的に効果のあるよう
な教育手法はこれだとか、そういうものをたくさん提示していただけると、市町村が頑張 るときに選びとりやすい状況になるので、是非、「ICT を教育現場に導入する」というこ とだけではなくて、「ICT でデータを分析できるようになる」という面、教育を支える ICT というのも是非頑張る必要があるかなと思ったのが1点でございます。 もう一点なのですが、同じく ICT 関係で、これは生々しい話で申し訳ないのですけれど も、学校事務を各学校で分かれてバラバラにやっていて無駄なので、箕面市では今、それ
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らの事務を集約しようとしています。役所は事務仕事が得意なので、役所に共同の学校事
務センターをつくって、そこでまとめて処理してしまえということをやろうとしているの
です。学校にある事務が別の場所に移るだけで、遠隔で処理をしていくというだけなので、
当然、学校事務職員の人件費というのは国及び都道府県から出るべきなのですが、学校事
務を別の場所に集約すると、学校事務職員を引き上げると言われたのです。市が持ち出し
でいきなりコストを出すのか、おかしいのではないかということで、大阪府ともめている のですけれども、考えてみると、ICT 化が進んで、できることがいろいろとあるにもかか わらず、多分、そういう制約でしづらい、できない、ないしは、結局市町村の負担になっ
てしまうみたいなことがほかにもありそうな気がします。例えば、これから遠隔授業など
をやっていったときに、遠隔授業の先生の人件費やシステムは、一体誰が負担するのかと
か。これまでは、既存の学校という閉じた形を前提に制度ないしはお金の流れがつくられ
ていましたが、アウトソーシングなど幾らでもできるようになっているわけですから、そ このところの考え方も再整理をしないと、結果的に ICT がいろいろな教育現場を支えてい くということの足かせになってしまうのではないかと思いました。
これは卑近な事例から感じたものですから、またそのあたりも是非ワーキング・グルー
プの方で議論していきたいと思います。
以上でございます。
○鎌田座長 ありがとうございました。
河野委員、お願いします。
○河野委員 ありがとうございます。 技術革新ワーキング・グループでのこれまでの議論の中で、ICT 環境を整備することに よって、通常の学級に在籍する児童生徒はもとより、特別な配慮を要する児童生徒や不登
校の児童生徒などに対しても、個別のニーズに応じた教育、個に応じた指導が可能になる
ということがわかりました。
まだまだ課題はたくさんあろうかと思いますが、学校現場にいる一教員として、この推
進には大きな期待感を持ちました。 その一方、ICT 環境の整備は、教育の機会均等という面からも、地域間の格差がないよ うに、全国津々浦々、足並みがそろった取組となるような仕組みや工夫がどうしても必要
になってくるかと。個のニーズに応じた指導を可能にするという環境を、どの子にも用意
したいというのが学校現場の思いです。 また、ICT 環境の整備と同時に、児童生徒の直接的な体験も重要だという指摘もあった と思います。このことを充実させるためには、人が必要だろうということも思うわけです。

学校現場では、児童生徒に対して習熟度別指導やティーム・ティーチングを行っており
ますが、通常の学級の子供たちも様々おりますので、教員が複数で、あるいは児童生徒が
少人数で指導するというのは効果があるということを実感しております。少人数教育をよ
り一層推進していくことは、大切な課題だと考えます。
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今後、急速に少子化が進むことが予想されているからこそ、児童生徒に対し、基礎的な
学力をしっかり身に付けさせて、全体の底上げが今、必要なのではないかと思います。
そのためにも、法律の裏付けに基づいた教職員の基礎定数の計画的な充実を重ねて要望
しているところです。 最後に、ICT を初めとする技術の導入によって、教師の多忙化の軽減も記述にありまし た。これもその一つだろうと思うのですが、このことが教職が魅力ある仕事となるための
全てではないだろうと思います。教員の過度な負担とならない研修の在り方工夫をする必
要があります。支援員や外部人材の力も大いに借りながら、全体のレベルアップを図って いかなければならないと考えます。 ○鎌田座長 ありがとうございました。
北野委員、お願いいたします。
○北野委員 この報告書全体は、非常にいいものになっていると思います。特に、技術革 新によって、これからの AI、データサイエンスということをしっかりやるということを書 き込んでいただけたのは非常に有り難いことだと思います。
その中で一つ、もう少し踏み込んでもいいのかなと思いましたのは、中高・高大接続の
ところの文理両方を学ぶ人材の育成ということでございまして、ここは非常に重要になっ てきます。みんなが AI の専門家になる必要はないのですが、それをある程度、使いこな していく、又はそこからいろいろな実務システムに落としていく、業務に使っていくとい
うところで、各々の分野、農業であったり経済であったり経営であったりビジネスであっ たりということは知っていて、更に、AI のことがある程度わかっている、数理がわかって いるという人をどれだけ大きなボリュームで質の高い人を育てるかというのは、ある意味
で国の力になりますし、子供たちのことを考えると、彼らが将来のオプションとして、ど
ういう選択肢があるかというところが非常に大きなポイントになりまして、そこが欠けて
しまうと、彼らの選択肢がかなり限られてしまうと思うのです。
これをどうやって中高・高大でやっていくか。大学に関しましては、今、統合イノベー ション会議の方で、私の方でいろいろと議論させていただいている AI 人材の育成のとこ ろで、かなりアグレッシブなプランを文部科学省、経済産業省と議論して、それが出てく
ると思います。そうなると、その方向にかなり動くことになりますし、既にそういうこと
を言わなくても、かなり大学はそういうことが産業界や実際のアカデミアから非常に圧力
がかかっていますので、非常に速いスピードで、国が施策を打つ前にどんどん動き始めて
いるのがリアリティーです。
そうすると、大学がそれだけのスピードで動き始めるというモメンタムに入ったときに、
中高・高大のところがそれに追いつけるかどうかということが非常にポイントになってき
て、これは追いつけないと、大学が動いたときに、中高・高大がマッチングしていないの
で、子供たちのオプションが限られるというのはできるだけ避けるようにしたい。
ただ、もちろんそうなったときに、何が問題になるかというと、どちらかというと情報
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系数学、理系を教える先生方をどうするかというサプライの問題が出てくるわけですが、 そういうことを含めて、遠隔も入れる、ICT を使った授業も入れるという網羅的な施策を 打って充実していくことが重要になってくるのではないかと思いますので、ここのところ
の情報だけではなくて、文理両方を学ぶということも含めたところで、ここら辺をもうち
ょっと踏み込んだことを最終報告に書き込めることができれば、それと同時に、最終報告 に関しては、もちろん ICT、AI、データサイエンスをやるということを書き込んでいただ いたらいいのですが、それをどう実現するかが最大の問題になりますので、そういうとこ
ろを含めたものが書き込めると、最終報告はすばらしいものになるのではないかとは思っ
ております。
以上でございます。
○鎌田座長 ありがとうございました。
それでは、大竹委員、次に加戸委員、お願いいたします。
○大竹委員 ただいま、北野委員から発言がございましたので、御報告と皆さん方からの
御支援をお願いしたいのです。
広島県で県立の中高一貫校を4月6日に開校します。これは叡智学園という学校名もつ
きましたけれども、北野委員に今、おっしゃっていただいたようなことを新しく誕生する
中高一貫校で是非モデル校にしたいのです。これを広島県下に全部波及させようというの
は、県知事の構想なのです。これをまた全国に波及させる。これはまさに北野委員のおっ
しゃっていただいている、最も重要なポイントなのです。
今日は平川委員が欠席でございますので、私から代わりに発言させていただいたのです
が、4月6日に開校しますので、御期待いただきたいと思います。
よろしくどうぞお願いします。
○鎌田座長 加戸委員、お願いします。
○加戸委員 すばらしい中間報告案だと思います。
先ほど、佃副座長が有用な御発言をされまして、増やすものばかりで、減らすことの議
論がないではないかというお話がありました。
今日は、後ほど御披露があると思いますが、自民党の改革本部からの十一次提言の一番
終わりのページを拝見していますと、ポツ2つで、文部科学省で新しい業務を付加する場
合には、既存の業務縮減、廃止を行うなどのスクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底す
るという提言がございます。
その次に、小学校に限ってですが、小学校の授業時間の弾力化ということもございまし
た。
私も常々思うのですけれども、どんな立派な提言を頂いても、受ける現場は日々あっぷ
あっぷしながら働き方改革や今の過重労働と言われている時代の中に、どうすれば提言さ れたものを実施できるのかと。特に、ICT 技術をベースにした教育などということになっ たら、当然のことながら相当な時間が必要でしょうと。それは、財源は何かといったら、
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予算の場合は、極端なことを言うと赤字国債を発行することもできます。ただ、教育の世
界では、大事な授業時間を繰り上げてやるわけにはいかないので、そういうことになった
ら、既存のパイをどうやって削ってこれをやるのかという時代に来ているのではないか。 ですから、1時間の授業時数が 50 分、1単位が 35 週、2単位ならば 70 週という不変の 真理は本当に正しいのか。今の時代はもうこれだけ科学技術が進歩して、 50 分ではなくて、 日比谷高校のように 45 分でやっても、一般高校もついていけるのではないかとか、あるい は 35 週はもう 30 週にしてしまえば、2単位ならば 60 時間で済む。ということは、トータ ルすると、まさに今、これだけ AI が発達すれば、50 分掛ける 35 時間ならば 1,750 分、2 単位ならば 3,500 分。これをそれぞれやっている学校のベースで一体どれだけの成果が上 がっているのかということを、もうそろそろコンピューターで試算が出そうな気がします
し、教育政策研究所の大きな研究テーマにもなるのかなと思ったりします。
いずれにしましても、報告提言に向けてのこれからの段階では、今までの事業時間数が
固定不変なのか、相当弾力化してもいいから新技術に応じた教育に力を入れていくのだと
いうウエートの振り方、時間の財源をどうやって出すのかという議論をもっとここでして
いただく必要があるのではないか。
今までどおりでいいということであれば、できるところでやりなさいという提言に落ち
てしまうのではないか。それが私の感想であります。
○鎌田座長 ありがとうございました。
大橋委員、どうぞ。
○大橋委員 ありがとうございます。
報告書は、大変バランスのいいものになったのではないかと拝見させていただいて思い
ました。どうもありがとうございました。
2点、申し上げたいと思います。 1点目は、ICT にかかわるところですけれども、個別の児童生徒に合わせた学習状況を ログでとって、それに合わせて学習をさせるというスタディ・ログというのは今後の活用
を考えていく上で非常に重要だと思います。
今後、詰めていかなければいけないのは、皆さん、どのようなイメージをこれに持って
いるのかなというのは重要かなと思っていまして、具体的に言うと、誰が運営するのか、
また誰が閲覧するのかという点です。先生だけなのか、親御さんなのか。あるいは民間事
業者も見られるのかというところとかを幾つか具体的に詰めていくと、いろいろと考えな
ければいけないことがあるかなと思います。
これは各自治体等に任せるよりは、国で一定程度の方向性を示した方がいいのではない
かと思います。そういう意味で、今後、最終報告に向けて、是非議論していただきたい点
の一つかなと思います。
2点目は、この高等学校改革のところですけれども、重要な論点を拾っていただいてい
て、とりわけ地域における人口減少、少子化の問題、そして学科の在り方というところに
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触れていただいています。
実はこの2つは繋げて論じることも可能かと。今、独立に項目立てされていて、少子化
のところには学科の在り方がなくて、学科の在り方のところには人口減少がないのですけ
れども、ここは2つ繋げて議論していただくのが重要かなと思っております。
以上です。ありがとうございます。
○鎌田座長 ありがとうございました。
向井委員、どうぞ。
○向井委員 2点あります。(1)のモラル教育ですが、技術や知識は教えるよりモラル を教える方が難しいと思うのです。モラル教育は、IT のみならず、医学や研究にもかかわ るので、モラル教育を1項目特出ししてもいいのではないかと思います。それが1点目で す。 2点目は、文部科学省の管轄下と思いますが、制度の柔軟化です。IT を入れることで場 所や時間の制約がなくなります。夜中でもいつでも情報にアクセスできるわけで、通信大
学や通信講座と同じ利点を使えるわけです。極端なことを言えば、例えば海外で日本語の
補習校に行っている生徒たちがインターネット経由で日本の学校へもアクセスできるわけ です。制度が許せば、オンラインでの受講でも卒業の資格を取れるようになります。IT 技 術を使うと、時間と場所のフレキシビリティーが高くなるので、教育制度がその変化につ いていかないと、提言が役立たないと思います。 また、高等学校教育で、子供たちが覚えることが増加し、限られた時間内にカリキュラ ムをこなすことが難しくなってきています。これも、AI や IT でカリキュラム内容が変わ ると思います。知識の暗記ではなく、現時代に合ったカリキュラムに変えられるのではな
いかと思います。パターン認識や情報選択はコンピューターに任せ、情報の正誤や、人間 力のよう総合力を高等学校教育教えるべきと思います。 また、この高等学校改革は教える側の立場からのリストで、教わる側のことが記載され
ていません。学ぶ側の自覚を高くして、学んだことを未学習の人に伝えていくという教育
の連鎖や互いに学び合うことを教えるべきと思います。高等学校であれば選挙権がある学
生もいるわけですし、社会の一員である認識を持つべきなのです。学ぶ側の自覚を持たせ る内容を入れた方がいいと思います。 最後に、人生 100 年時代に向けて、高等学校レベルの社会人教育も IT を利用し、自由に アクセスできる教育課程をつくるべきと思います。以上です。 ○鎌田座長 選挙権だけではなくて、民法成年年齢も 18 歳になりますけれども、いろいろ な意味で、シチズンシップ教育みたいなものが、グローバルスタンダードから日本は少し
遅れているというところが大きな課題になって浮かび上がってくるかもしれないと思いま
す。
佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 夜間学校のことがありましたので、関連して申し上げます。
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私は、昨日までベトナムで4校の日本語学校を見学しました。特徴的なのは、ものすご
く意欲的で礼儀正しく頑張る生徒さんが多いのは、実は日本に技能実習生で来る生徒さん
を送り出す学校だったのです。一方で、授業中に雑談をしたり、寝ていて話を聞かない学
校では、日本の大学や専門学校に行こうとしている人たちだと言うので、大変びっくりし
たのです。
なぜかと言うと、意欲的な礼儀正しい人たちは、日本で就職するためには採用してもら
わなければいけません。それと、ベトナムから日本へのあっ旋費用も最低 4,000 ドルかか
るそうです。だから、一番いい日本語学校の生徒は、実は日本に技能実習生で3年来てい
て、必死になって働いて、稼いで、ベトナムに帰って、日本語学校をやっているのです。
彼らはすごく意欲的で、頑張っているところだったのです。
さらに申し上げると、彼らは日本語の検定の N5 ぐらいで日本に来ますが、ベトナムには
今、4,500 の現地の日本の企業があるので、大半がそこに勤めたいそうです。日本に行き
たいというのはごく一部です。その中で、N5 といったらほんのちょっと日本語がわかるぐ
らいですから、日本語能力の低い人たちも大量に送り出すことになります。そういう彼ら
に日本でいい思い出を作ってもらったり、お金を稼いで本国に貢献してもらう必要があり
ます。そのために、夜間の学校で日本のいろいろな文化を教わったり、日本語を学んだり
して、日本は良いところだよねと感じてもらう。生徒がこれから外国からどんどん来るの
で、そんなことを検討していただけたらとも思いました。
以上です。 ○鎌田座長 尾﨑委員、お願いします。 ○尾﨑委員 要するに、スクラップ・アンド・ビルドが大事だという話の中で、私もそれ
は本当に大事なことだと思いますけれども、恐らく教員の働き方改革を進めて、校務支援
システムとかを今、全国的に普及をしていただいていることは非常に効果的で、うちもで
きる限り早く全県的に普及していって、できるだけ子供に向き合う時間を先生に持ってい
ただけるようにしようということをさせていただこうとしています。

このまま行くと、6-3-3では足りないとかいうことになるのかもしれない

ただ、これから学ばないといけないことというのは、例えば 100 年後、200 年後を考え ると、どんどん増えていくだろうなとしたときに、結局、どういう人材を育成する必要があるのかというターゲットオリエンテッドで考えていくと、多分、このまま行くと、6-3-3では足りないとかいうことになるのかもしれないなと思います。
今すぐの議論ではないかもしれませんけれども、最初の会合のときにも申し上げさせていただいたのですが、ターゲットオリエンテッドで考えたとき、果たしてどれぐらいのボリュームの教育期間を確保する必要があるのかということの議論は、だんだん拡充していく必要があるのではないかと思います。
私の出身母体の財務省は嫌がるかもしれません。お金がかかるのでしょうけれども、しかし、教育は国家百年の計、ここは優先して対応するということになるのではないかと思います。

小学校に英語が入ってきたときに、英語は国語、社会、算数、理科の方に入るのか、図工、音楽といういわゆる技能教科に入るのか


○三幣委員 スクラップ・アンド・ビルドの話が出ていますけれども、日々、疑問に思うのは、中学校で国語の時間数よりも英語の時間数の方が多いことです。
小学校に英語が入ってきたときに、英語は国語、社会、算数、理科の方に入るのか、図工、音楽といういわゆる技能教科に入るのかということでしたら、大学の英語の先生は技能教科に入ると言われるでしょう。だとすると、先ほど加戸先生がおっしゃったように、
図画工作、音楽、体育をやめて、英語を入れるということも、内輪で話をしたのですが、そうなると、非常に猛反対を受けるわけです。要するに、学校教育は教科教育だけではない。情操教育も含めてのものだということでした。
そういう中で、加戸先生がいつもおっしゃっているスクラップ・アンド・ビルドで、大胆に削らなければいけないということは大賛成なのですけれども、具体化していくときになると、非常に反対が根強く出てくるわけです。
もう一点、遠隔教育とか個別教育といったものの議論が出ていますけれども、身につけたものあるいは学んだものをどう社会で生かしていくか。2~3年前の飛び級のときに、ある先生が、早く熟した者は早く腐ると発言されていました。やはり同学年の中で生活さ
せて、勉強させていかないと、社会に出て、いろいろな知識や技能といったものが使えない状況になるというお話があったわけですけれども、我の世界を生きていくのか、我々の世界を生きていく子供たちを育てるというあたりは、私どもは幼稚園、小学校、中学校を 預かっている身としては、非常に生々しい問題です。しかも、10 年、20 年、30 年先にも つながる問題でありまして、非常に悩みながら、結論の出せないところであります。
また機会があれば、こういうところでお話を承りたいと思っています。
以上です。
○鎌田座長 ありがとうございました。
それでは、鈴木委員お願いします。
○鈴木委員 自分自身が非常に不本意に思っていることがあるのですけれども、教師というのは、今、多忙だ、多忙だと言われるわけでしょう。それを何とか解消しなければ駄目なので、みなさん非常に苦労している。だけれども、よく考えてみると、自分の親を見て も兄弟姉妹を見ても、教師は 24 時間教師なのですから、絶対に多忙です。私個人としては 多忙でない教師というのは、あり得ないと思ってきました。
教師は多忙なのだということをある新聞に書きましたら、ブラック擁護だ、時代錯誤の ブラック容認だということで、ロートルが何をいっているのだということを SNS でバンバ ンやられたのです。
それでもなおかつ、私は、教師は多忙であるのが当たり前だと思っています。教師はそ の代償として、多忙なかわりに、24 時間教師であるかわりに何かがなければならないでし ょう。それは何かというと、いつも加戸委員がおっしゃるように、待遇の問題です。私は、
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大学での研修(選抜による教員研修生)を認められ、給与を保証された上で、1年間、東
京大学で研修させていただいたのです。現場に戻ると、我ながらものすごく使命感が高ま
りました。駄目教師が、それなりに生き返って戻ってきた。
そういうふうな研修の在り方を、ただ既存の枠にはめるのではなくて、研究機関がいろ
いろと考えて、給料は保証しますからどうぞ1年間行っていらっしゃいという形式のもの
があれば、意識もかなり変わってくるかなと思います。 10 年教壇に立ったら、いろいろな形で研修に派遣してはどうでしょうか。久しぶりに社 会の空気に触れた新鮮な意識が新しい学校現場をつくっていく力になるのではないかと思
っています。
○鎌田座長 漆委員、どうぞ。
○漆委員 理念がすばらしいので、現場にとおりやすいような工夫がとても大事だと思い
ます。
例えば、遠隔教育がオーケーということであれば、発信側も受信側も両方免許が要ると
いうところでコストが合わないのです。なので、受信側の方はチューター複数で良いとか、
そういう工夫が要ると思います。 もう一つ、EBPM を推進するのであれば、お役所の中にも学校側にも、ある程度、統計 分析できる人手をもう少し増やさないといけません。今、言ったような成績と部活等の重
回帰分析ぐらいのことであればちょっとした講習で幾らでもできます。校内には教育効果
を計るデータの宝の山がありますので、是非その辺の補助というか、仕組みの工夫をお願
いしたいと思います。
○鎌田座長 それでは、ここでオブザーバーとして御出席いただいております馳議員、富
田議員から、それぞれ御発言を頂きたいと思います。
初めに馳議員、お願いいたします。
○馳衆議院議員 今日は陪席をさせていただき、ありがとうございました。
感想であったり、自民党の教育再生実行本部長という立場で、恐らく今年参議院選挙も
ありますので、ほぼ5月までにやる作業があるということでの使命感を持ってやらなけれ
ばいけないと思っています。 その上で申し上げると、もう 10 年たちましたが、全国学力・学習状況調査の在り方とデ ータの活用の仕方については、まさしく ICT を活用することによって、十分に分析とフィ ードバックがしていけるのではないか。むしろ、できない、しない方がもったいないので
はないかという認識を持っています。
改めて、この全国学力・学習状況調査が有効に現場に反映される仕組み、またその実施
ということについて、党としても検討したいと思います。 2つ目、ICT 環境整備5カ年計画、2018 年~2022 年度の5カ年で単年度 1,805 億円の地 方財政措置がとられておりますが、尾﨑知事ならばわかるように、ちゃんと使っているの
かと問いたいです。ここのフォローアップをしないと、8~9割ぐらいちゃんと使ってい
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るというところと、10%未満の市町村とがございます。これは、この会議、中教審などで もせっかくバックアップしているにもかかわらず、そうではない数字が出てきた場合には、
これも柴山大臣にもお願いしたいのですが、総合教育会議に使って、金は出ているのだぞ
と。整備しろよと。フォローアップして、フィードバックしてということをやらないと、 まず ICT 化の基盤整備をし、教師の研修もやりますが、ある意味では、国がちゃんとリー ドしないと、他国、韓国、中国、アメリカ等ががんがんやっているにもかかわらず、地方
分権の法律がありますから、現場はひもつきではありませんので、あちらに使いましたと
いうことでは、これは恥ずかしいと思います。ここもフォローアップの方でやっていきた
いと思います。
提言検証部会は、遠藤先生の方でやっておりますので、先ほど、佐々木先生のおっしゃ った、私も A2 というのはひっくり返りそうになりましたが、きちんとそういう細かいと ころまでフォローアップしないと、まさしく国立大学、ましてや東大の意味が問われるという認識を改めて持ちました。

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